第2回:計算技術による学際的統計解析ワークショップ

開催概要

高度な計算技術を活用した統計手法研究を目指し,学際的な研究者交流を目的とします. 口頭発表はオンライン配信予定(質疑応答は対面を最優先します).第1回の開催情報はこちら. 参加登録はこちら

全体向けアナウンス (パスワードはメールに記載)

スケジュール(予定)

(*は全て招待講演)
2月16日
13:00-13:30
奥野彰文(統計数理研究所)
統計手法研究と計算技術
13:30-14:30
深谷猛(北海道大学)*
国内におけるスーパーコンピュータの整備状況と関連する数値線形計算分野の研究動向
計算科学分野における物理シミュレーションから、AI・機械学習分野における大規模言語モデル(LLM)の学習に至るまで、今日の科学技術計算の様々な場面で膨大な計算資源が求められている。こうした状況に対し、スーパーコンピュータ「富岳」を中核とする HPCI(革新的ハイパフォーマンス・コンピューティング・インフラ)の整備が進められ、多様な計算機資源を利用できる環境が提供されている。本発表では、国内におけるスーパーコンピュータの現状や利用制度の概要を紹介するとともに、「富岳 NEXT」を含む将来動向にも触れる。さらに発表後半では、近年のHPC(高性能計算)分野における数値線形代数(行列計算)技術に関する研究動向についても紹介する。
14:30-14:45 休憩
14:45-15:45
森岡博史(滋賀大学)*
非線形表現学習のアイデアと実問題への応用
近年の様々な分野におけるデータの大規模化にともない,その背後に隠れたデータの本質的な表現の抽出がますます重要となりつつある.そのようなデータ表現は,解釈性や汎化性などの観点から,そのデータを表す唯一のものであることが望まれ,観測されるデータ分布からそれが実際に同定可能であることが求められる.特に非線形モデルではその理論的保証が困難であることが知られるが,我々の研究をはじめ,データの生成過程に対してある程度の仮定をもつことで実現できることが示されつつある.このトークでは独立性や因果構造など,その基本的なアイデアといくつかの拡張・応用,実問題における難しさや課題などについて紹介したい.
15:45 記念写真撮影
15:45-16:45 ポスターセッション
16:45-17:00 休憩
17:00-18:00
南俊匠(産業技術総合研究所)*
量子計算技術と統計科学
量子計算技術は計算可能領域を大きく拡張する力を持ち、次世代の計算基盤として注目を集めている。本講演では統計科学との接点に着目し、量子計算を支える統計手法と量子計算を活用した統計手法の展望を示す。
18:20-18:40 徒歩移動
18:20に研究所1階を出発する予定です.
@under the cascade
18:45- 入店可,ドリンクの注文など
19:00-21:00 懇親会
  • 参加登録時の事前申込制
  • 2時間飲み放題 (90分でラストオーダー)
2月17日
10:00-11:00 (学生講演)
屋良淳朝(大阪大学)*
深層学習を用いた共変量駆動型ポアソン過程の強度関数に対する最尤推定
本研究では,共変量を伴うポアソン過程に対する強度関数のノンパラメトリック最尤推定問題を扱う. ノンパラメトリック最尤推定では,超過リスクに含まれる Kullback–Leibler(KL)ダイバージェンスが容易に発散し得るため,NPMLE の超過リスクの理論解析は一般に困難である. そこで本研究では,NPMLEを解析するための統一的なアプローチを用いて,KLダイバージェンスを評価する代わりに,真の強度関数とNPMLEとの間のHellinger距離を評価するためのオラクル不等式を導出する. さらに,このオラクル不等式の重要な応用として,深層ニューラルネットワークを用いたNPMLEの収束レートを導出する. この解析によって,真の強度関数が合成関数の構造を持つ場合には,深層学習を用いたNPMLEが次元の呪いを克服し得ること,および低次元リーマン多様体構造に対して自動適応することを示す. また,真の強度関数が合成関数の構造を持つ場合は,得られた収束レートはほぼミニマックス最適であることを証明する.
牛山寛生(東京大学)*
非平滑正則化付き凸関数最小化に対する高速な近接勾配法
本発表では,平滑関数と非平滑関数の和で表される凸関数を最小化するための,新しい加速近接勾配法を提案する.この種の最小化問題には,正則化項付き損失関数の最小化や制約付き最適化などが含まれる.提案手法は,目的関数が強凸である場合,発表者の知る限り最速の収束レートを達成する.本手法は,無制約強凸関数最小化に対して最適な手法である Information-Theoretic Exact Methodの連続時間モデルの離散化により導出され,その収束解析も連続時間と離散時間で対応している.
11:00-12:00
池松泰彦(九州大学)*
多変数連立二次方程式の求解困難性を利用した暗号理論について
量子計算機に耐性のある暗号として多変数多項式暗号が研究されている。この暗号は有限体上の二次連立方程式の求解困難性を利用して構成される。本講演では、有力な方式であるUOVを中心に多変数多項式暗号について紹介する。
12:00-13:30 昼休憩 (研究所近傍の飲食店地図)
13:30-14:30 ポスターセッション
14:30-15:30
原瀬晋(立命館大学)*
マルコフ連鎖モンテカルロ法のための準乱数とベイズ計算への応用
マルコフ連鎖モンテカルロ(MCMC)法を用いた期待値計算を考える。このとき、乱数によるモンテカルロ計算は収束が非常に遅いため、より高い一様性を有する準乱数に置き換えて高速化を図る準モンテカルロ法を適用したい。しかるに、通常の準乱数はMCMC法にそのまま適用することが出来ない。Owen-Tribble(2005)及びChen-Dick-Owen(2011)は、CUD列と呼ばれる点列を用いると、MCMC法による期待値計算に適用できること(一致性)を理論的に示した。ここで、CUD列の定義は構成的でない。そのため、短い周期の擬似乱数発生法を用意し、一周期使い切った際に現れる格子構造を利用して、CUD列の近似点列として実装する方法が提案されている。 最近、発表者は、この実装方法の枠組みで、準モンテカルロ法の一様性の指標であるt-値が最適化された準乱数を作成した。その設計に際し、2次元のt-値は有限体上の有理関数の正則連分数展開と密接に関係があり、連分数を用いて準乱数のパラメータ探索を行った。本講演では、この準乱数の概要、並びに、ベイズ統計学の数値計算への応用例を紹介する。
15:30-15:40
閉会挨拶
15:40-16:30
(希望者) 所内見学および追加の議論
統計数理研究所:地下1階(計算機展示室)を予定

ポスター講演リスト

(*は学生発表.ポスターセッションは2回ありますので,少なくともどちらか片方では説明をお願いします.)
1. 大田浩史(東京大) グラフマッチング解の統計的推論と平均場近似に基づく効率的なアルゴリズム
2. 久米啓太(東京科学大) 非平滑非凸関数最小化問題のための近接可変平滑化法
3. 佐竹祐樹(北海道大) 大規模線形行列方程式のためのKrylov部分空間法について
4. 山下洋史(大阪大) ガウス分布近似を通じた制御変量の構築
5. 柳下翔太郎(統数研) 非凸最適化のための直線探索フリーな一次法
6. 西岡暁(東京科学大) Invex関数の構成法と応用
7. 仲北祥悟(東京大) Langevinアルゴリズムによる共分散推定の統計保証
S1. 丹澤春香(お茶の水女子大)* スパース性に対するプライバシー保護とノイズ設計
S2. 司馬博文(総研大)* 区分確定的モンテカルロ法の拡散極限と早期収束診断
S3. 澤谷一磨(東京大)* 偽発見率を制御できる深層変数選択
S4. 木水祐孝(大阪大)* 2つの点光源モデルに対する適応的量子推定の数値的な性能評価
S5. 永井実葵(総研大)* Stein's method of moments の幾何
S6. 酒井彰(筑波大)* 高次元データにおける主成分回帰の推論理論:係数の仮説検定と予測誤差最小化の展望
S7. 童祺俊(電気通信大)* ガウス過程間のKnothe-Rosenblatt距離について
S8. 宮崎裕貴(日本大)* Hölder連続勾配を持つ多目的最適化アルゴリズム

発表登録・参加登録

会場設営にかかる参加者数把握のため,12月末ごろまでの登録にご協力いただけますと非常に助かります. zoomリンクは開催前にお送りします.ポスター登録は参加登録を兼ねています(=ポスター登録者は参加登録不要です)

奥野と面識がある場合に限り,直前に滑り込みたい方はご連絡ください

本セミナーは科研費 (25K03087) および統計数理研究所 リスク解析戦略研究センター(データ駆動型リスク解析のための計算数理プロジェクト)の補助により開催します.