奥野
彰文
博士 (情報学)
統計数理研究所 助教(兼・総研大 助教 / 理研AIP 客員研究員)
okuno@ism.ac.jp
業績リスト (英語)
講演リスト (日本語)
履歴書 (英語)
東京都立川市にある 統計数理研究所 で助教 (PI) をしています.統計数理研究所は1944年に文部省直轄の研究所として設置され,
日本における統計数理の中核的研究組織として大学・研究機関・民間研究所および一般社会人など幅広い対象への統計科学の知識や技術の普及活動にも努めています.
数理統計と統計的機械学習を研究しています.博士課程在籍中は機械学習のトップ国際会議であるNeurIPS, ICML, AISTATSなどに主著論文が採択されました.最近は統計学のジャーナルに主戦場を移しています.論文については 業績リスト (英語) を御覧ください.毎年主に 統計関連学会連合大会 と 情報論的学習理論ワークショップ (IBIS) に参加していて,2022年度のIBISではPC委員を務めました.
私の強みは,確率論を基にした伝統的な数理統計学の理論をフォローし,主著で定期的に理論論文を書いている一方で,機械学習分野 (ML一般に加えて自然言語処理,画像処理分野との共著もあります) や科学など様々な分野 (天文学分野や核物理分野) で共同研究を組み,課題に沿った手法提案を行うバランス感覚にあると思っています.雑談等を通じて課題をヒアリングし,既存法との理論的な整合性を考えながら,問題に応じて適切にデザインした手法を提案しています.
私は統計学・機械学習一般で手法の計算・応用・理論のいずれにも興味があり,それぞれ研究を進めています.研究の概要について YouTube動画 (日本語) に紹介しています.2023年12月現在プレプリントを含めて20本の英語論文を公開しており,その中のごく一部ではありますが,以下にいくつかの個別研究をご紹介します.
- [計算] WAICを用いたニューラルネットの汎化誤差推定: 赤池情報量規準AICを特異モデルにも使えるよう拡張したWAICは,小規模ニューラルネットへの適用が考えられていましたが,統計数理研究所の 矢野恵佑博士 との共同研究で,近年の過剰パラメータモデルに対してWAICを計算する方法を提案しました.
Jxivでの解説 (日本語)
講演動画 (日本語)
- [応用] 楽観的なクラスタリングと天文学への応用: 我々の住む宇宙では,長い時をかけて様々な銀河が入り混じってきました.現在観測できる星々を調べ,どの星が以前同じ銀河に属していたか,または異なる銀河に属していたかを調べることで宇宙の起源を探ることができます.
国立天文台の 服部公平博士 との共同研究では,実際の観測データにおける観測誤差の大きさの偏りをどう扱うか,手法面から協力をしました.
プロジェクト紹介 (日本語)
講演動画 (英語)
- [理論] 可逆関数推定の難しさの評価: 昨今機械学習分野で話題になる生成モデルは,内部的にはデータと潜在空間をつなぐ1対1対応,つまり可逆なニューラルネットを学習していると考えられます.東京大学の 今泉允聡博士 との共同研究で可逆関数の推定の難しさを理論的に評価しました.
Jxivでの解説 (日本語)
講演動画 (英語)
このほかの研究については,スライド (英語) または 業績リスト (英語) などご参照ください.
学生向けにTipsなども公開しています.
研究内容などに関するお問い合わせは okuno@ism.ac.jp までお送りください.
受賞歴
2023年11月:
優秀プレゼンテーション賞, IBIS2023
2019年11月:
優秀プレゼンテーション賞, IBIS2019
2019年2月: 優秀研究賞,
京都大学ICT-13
2017年3月: 優秀発表賞,
第11回日本統計学会春季集会
2016年3月: 基礎工学研究科賞, 大阪大学
2014年3月: 基礎工学部賞, 大阪大学
2010年3月: 木村賞, 立命館高校 (清和会)
2007年12月:
朝日新聞社賞, JSEC2007