奥野研では,数理統計学と統計的機械学習を駆使した統計手法開発・性能評価とその応用を目指しています.統計数理研究所統計基盤数理研究系で活動しています.

キーワード:統計科学,機械学習,科学応用.

統計科学のイメージ

「ユーザー」ではない,手法の「開発者」は希少です.

データ解析は車の運転のようなものです.車(⇔ データ解析手法)をうまく運転して目的地となる山(⇔ 確からしい結論)を目指します.最低限の運転技術は必須であるにせよ,確からしい結論に近付くためには路面状況や天候・山の大きさ・想定ルートに応じて適切な車を選択し,うまく調整してその性能を活かすことが重要です.

昨今のデータサイエンスブームや多様なツールの普及を受けて,既存法をそのまま利用するデータ解析に特化した人材(⇔ 運転士)は徐々に増えつつあります.一方で,手法の原理を正しく理解して解析手法そのものを改変できる統計学者(⇔ 整備士,開発者)は依然として希少です.

統計学は様々な技術の礎です.

「統計学」と聞くと,古典的な仮説検定をイメージする方もいるかもしれません.しかし,仮説検定は統計学のほんの一側面に過ぎません. 身近なところだと,例えば天気予報であったり,株価予測であったり,ゲームでの敵キャラクターの制御であったり,工場の設備管理であったり,スマートフォンの指紋・顔認証であったり,Googleの検索エンジンであったり,昨今話題の大規模言語モデル(ChatGPTなど)であったり, これらはすべて統計学と密接に関係しています. 現代における統計学は,データサイエンスの中核を担い,深層学習をはじめとする機械学習・人工知能の技術を支える基盤となっています.